kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

わからないとは何か?

学校の勉強でも会社の仕事でも、

 

『わからない事はそのままにしないで、質問しなさい』

 

と言われます。

 

 

 

しかし、指導を受ける側の人間が失敗した時、

 

なぜ失敗したのかと聞くと、

 

『わからなかったから』

 

と言う答えが返ってくる場合があります。

 

 

 

そう言う時に、指導する側が

 

『わからないならば、なぜ質問しないんですか?』

 

と、相手を問い詰めても、はっきり言って、無駄です。

 

 

 

なぜかと言うと、指導を受ける側にとっての

 

『わからない』

 

とは、

 

『気づかない』

 

ことだからです。

 

 

 

つまり、気づかずに、そのままやり過ごしてしまうのです。

 

だからこそ、質問が出来ないのです。

 

 

指導する側は、この点を理解していないと、誰を指導しても、上手くいくことはないでしょう。

 

 

私は教育経験が長いので、この種のことは、よく知っています。

 

 

 

文責:Dr. Kazuyoshi Katogi

継続は力なり

僕は 20歳の頃から数学の勉強を始めて、

 

今年で 48歳。

 

実に、28年も、継続的に、数学を勉強しています。

 

もちろん、数学といっても、大学以上のレベルの数学です。

 

 

 

数学系の学部や院に合計 7年間在籍し、博士号を取得したのは、

 

ほんのささやかな通過点に過ぎません。

 

 

 

継続は力なり。

 

今後も、続けていきたいと思います。

定礎な関係のノイマン級数

今回の数学エッセーでは, 定礎な関係のノイマン級数は再び定礎であるという定理を, ZF 内で証明します. 

 

E を 集合, R を E 上の定礎な二項関係, S を R から定まるノイマン級数とする. つまり, S は E 上の 2項関係で, xSy は, E のある有限列 x_0, … , x_n が存在し, 0 ≦ i < n に対して x_i R x_{i+1} かつ

x_0 = x かつ x_n = y なることとする. ここに, (x, y) ∈ R , (x, y) ∈ S を, それぞれ xRy, xSy と記述した. 

 

定理: この時, S は定礎となる. 

 

証明. 仮に, S が定礎でないと仮定して, 矛盾を導く. E の空でないある部分集合 A が, 任意の x ∈ A に対して y ∈ A が存在して, ySx となっていると仮定する.

 

B = {x ∈ E | (∃a ∈ A)(aSx)}

 

と置く. 仮定より, A ⊆ B である.

 

そこで, E は R に関して定礎だから, B は R-極小元 a を持つ. B の定義より, b ∈ A が存在し, bSa となる.

 

Case 1. bRa ならば, b ∈ A ⊆ B だから, a が B の R-極小元であることに反する.

 

Case 2. E の元の有限列 x_1, ・・・, x_n (n>0) が存在して

 

bRx_1 かつ x_1Rx_2 かつ… かつ x_{n-1}Rx_n かつ x_n Ra

 

となる時. この時, bSx_n で, x_n R a だから, x_n ∈ B かつ x_n R a となり, a が B の R-極小元であることに反する.

 

証明終わり.

 

この定理の通常の証明は, E に Sに関する無限下降列が存在すると仮定して矛盾を導くというやり方です. その時に, 通常, 従属選択公理を使います. 今回は, 従属選択公理を避ける形で, 証明してみました.

 

 

 

文責: Dr. Kazuyoshi Katogi (加藤木 一好)

一番ダメな勉強法

この世で一番ダメな勉強法はと言うと、

 

暗記そのものが目的となっている勉強です。

 

 

学問の勉強は、その学問の仕組みを理解しなくてはなりません。

 

暗記しなくちゃ、と思っている人は、

 

『暗記』というものから、離れた方がいいですね。

直交座標と極座標

仕事に役立てることを想定して、

 

私は現在、幾何公差の勉強もしています。

 

アマゾンで一冊本を購入して読んでいます。

 

 

その中で、幾何公差の許容域と言うのがあって、

 

二つの方式で表現できるとのこと。

 

つまり、直交座標系と極座標系。

 

懐かしいですね、物理学でも、もちろん数学でも、

 

この二つの座標系はよく使います。

 

 

 

3次元の場合も、直交座標系と極座標系はあります。

 

数学では、これを一般化して、n次元の直交座標系を定式化します。

 

きちんと載っている本はと言うと、

 

東大出版会から出ている解析入門でしょうか。

 

 

 

 

微分積分ヤコビアンの計算でも、

 

物理学で使うラプラシアンの計算でも、

 

極座標は良い計算練習となります。

 

 

 

 

文責: Dr. 加藤木 一好

520 の日

今日は、中国では恋人同士の記念日です。

 

プチ・バレンタインデーのような感じです。

 

以下は、we chat のタイムラインへの、彼女の投稿。

 

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520

中国語では、520 の発音が、I love you に似ているため、

 

5/20 が恋人同士の記念日となります。

 

そのほかにも、旧暦の 7/7  七夕バレンタインデーなど。

 

中国人の恋人を持つと、必然的に、異文化交流となります。

 

今年は、コロナの影響で、上半期には会いに行けないのが、

 

寂しいですね。