kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

数学クイズ

今回の数学クイズは, ある中学生の方が,

 

おじいちゃん, この問題解ける?

 

と, おじいちゃんに出題し, そのおじいちゃんは解けずに,

 

おじいちゃんの知り合いの, 数学マニアの方に依頼したのですが,

 

その数学マニアの方も解けず, 僕のところに回ってきたものです.

 

その数学マニアは, 母の仕事のお客さんで,

 

母が, 仕事のついでに聞いてきた問題となります.

 

 

 

 

問題

 

『2, 3, 4, 5 ,6 で割ると 1余り, 7 で割り切れる自然数を求めよ.』

 

 

 

 

回答.

 

最初は, 自然数でなく, 整数の範囲で考える.

 

2, 3, 4, 5, 6 の最小公倍数 は 60 なので,

 

問題の整数を n とすると,

 

n = 60m + 1

 

の形で, n は 7 で割り切れる.

 

よって,

 

60m + 1 = 7k

 

の形.

 

両辺を移項すると,

 

-60m + 7k = 1

 

となる.

 

60 と 7 は互いに素だから,

 

このような整数 m, k は確かに存在する.

 

例えば, m = -2, k = -17 がそうである.

 

そこで, m = -2 のとき,

 

n = 60 × (-2) + 1 = -119 

 

となり, これに 60 と 7 の積 420 を加えて,

 

301 が,  所要の答えとなる.

 

一般には, 301 に 420 の倍数を加えた数が,

 

全て、所要の答えとなる.

 

 

 

 

 

文責: Dr. Kazuyoshi Katogi