僕は以前, 代数幾何学の本の最初の方を少し読んで,
「環付き空間」なる記述を見かけたことがあります.
そのときの感想
「なにこれ?」
見事につまづきました(笑)
それから 2 年くらいののちに,
僕は, ある本と出会いました.
C^∞ Differentiable spaces (Springer)
という本です.
環付き空間の一つとして定義し,
アトラスによる定義と同値であることがわかります.
つまり, 環付き空間は, 多様体の概念の一般化の一つ
と考えられるんですね.
多様体に慣れ親しみ,
層の理論の基礎を勉強し,
局所環などの環論の基礎を勉強された方ならば,
この本の定式化は理解できるでしょう.
通常の多様体論から,
代数幾何学への橋渡しとして,
オススメの本です.
文責: Dr. Kazuyoshi Katogi