位相空間論 (General Toplogy) は、論理との結びつきが明快で、すごく理路整然とした定式化で、わかりやすいですが、直観的にイメージしづらい部分もあります。
その点を助けるため、僕が 20歳前半の頃に読んだ本を紹介します。
M. デイヴィス 『超準解析』(培風館)です。
大学の図書館で読めるでしょう。僕は明倫館書店で手に入れました。超準解析の定式化、実数体の構成、位相空間論の定式化。この本が論理と直観のいいとこ取りをしていて、わかりやすかったですね。
超準解析の技術的な部分にもう少し入り込んだ本は、
斎藤正彦 『超積と超準解析』(東京図書)
がありますが、数理論理学や集合論にある程度慣れ親しんでいないと、厳しいでしょう。善良超フィルターの存在証明に、順序数を使いますしね。そもそも、斎藤さんのこの本は、2階述語論理に基づいていますから、ZFC で勉強するためには、これを1階の述語論理での定式化に書き直す必要があります。
僕は千葉大学在籍時に、物理学の勉強そっちのけで、数学の文献を図書館で漁っていましたが、超準解析には何十年も前の論文もあって、面白そうだったのを覚えています。
文責: Dr. Kazuyoshi Katogi