kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

ブルバキ多様体の補足ノート Chapter 1, 2

微分多様体の基礎 1

 

ファイルを更新しました.

 

ブルバキ多様体の第1, 2章の完全な証明がついています.

 

(第1, 2章の定式化は, これで完了です.)

 

第1, 2章のレベルならば, 私でも完全な証明をつけられますが, 

 

第 3章以降は, そうは行かなくなるでしょう.

弱微分可能関数の基本定理

ブルバキ多様体補足ノート、

 

微分多様体の基礎 1

 

更新しました。

 

 

今回の更新は、第  23 章です。

 

重要な定理の証明があります。

 

定理

r を 0 以上の整数,

K = R, or C,  E  を K  ノルム空間, U を E の開集合,

F を点列完備な分離多ノルム空間,  f : U → F  を写像で,

任意の u \in F' に対して, u \circ f : U → K

は r+1  回微分可能で、

D^{r+1}(u \circ f) : U → L_{r+1}(E; K)  は

U の任意の収束点列を L_{r+1}(E; K) の有界集合へ

移すとすると仮定する。

 

この時、f :  U → F は  C^r  級である。

 

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この定理は、もともとはルーマニア語の論文が原型です。

もちろん、私はルーマニア語など読めないので、

 

というより、原論文が手に入らなかったので、

 

証明は学生時代に自分で考えました。

 

但し,完全な証明を考え終わるまで、

3年半くらいかかった経緯があります。

 

 

 

 

文責:Dr.  Kazuyoshi Katogi  (加藤木 一好)

 

勇気

自分だけは安全な場所にいて動かず、相手にだけは動いてリスクを冒してもらおうとする態度。

 

又は、他人の責任でしか動けない、という態度。

 

最も勇気のない、ヘタレた態度だと思います。

 

この種の人間のこの種の態度は、僕には、すぐにわかります。

微分と積分の交換可能性, L^p_F に値を取る関数の微分

ブルバキ 多様体 section 2, 補足ノートを更新しました.

 

微分多様体の基礎 1

 

今回の更新は, pdf の第21章 です. 微分積分の交換可能性についての定式化のみならず,

 

F をバナッハ空間, 1 ≦ p < ∞ とする時の,

 

L^p_F に値を取る関数の微分についても論じています.

 

やはり, フレッシェ微分での議論で, この 第21章では, 第19章で定式化した,

 

階差の収束から高階微分可能性を保証する定理が, 役に立ちます.

 

応用として, 積分範囲がコンパクト集合の場合が重要で,

 

ブルバキ 多様体の 2.5.5 が証明されます.