人の気持ちというのは、すごく難しいです。
私自身、ロボットみたいなところがあって、
なかなか人の気持ちがわからないところがあります。
それでも、恋人がいるというのは、彼女の方も、
そういう、変わった人間なのだろうか、と、
今にして思います。
です。まだまだ途中ですが、定期的に、話題を提供していきます。
エレメンタリーな問題で、
L. Schwartz の解析学にも、その定式化があります。
このノートの 21.1, 21.2 では、その定式化を、フレッシェ微分の範囲でしております。
特に、L. Schwartz 解析学では、積分と高階微分の交換可能性についての
定式化が不十分なため、今回、このノートで、定式化を試みました。
証明の方法はいくつかあるとは思いますが、
このノートでは、高階階差の収束から高階微分の存在を保証する定理 (定理 19.4.1)
を使いました。
ちなみに、スカラー体は、R 又は C です。積分を考えるため、
一般の非離散な付値体ではうまくいかないでしょう。
文責: Dr. 加藤木 一好
ある方が、数学的帰納法の記述の仕方について、
すごく悩んだことがあると、呟いておりました。
『a+b に関する帰納法で証明する。
n = a+b と置き, a+b が n よりも小さい場合には成り立っていると仮定して,
・・・』
と言う下りが、悩みの元だったそうだ。
これは、ハッキリ言えば、記述する側に責任があります。
記述の仕方が厳密ではないのです。
上記のような場合だと、正確には、次のような言葉遣いでの記述の仕方になります。
『a+b に関する帰納法で、命題 A(a, b) を証明することを考えます。
n = a + b と置き, k を任意の自然数とする。
n = a+b <k の場合には A(a, b) が成り立っているという仮定の下で、
n = a+b = k の場合にも A(a, b) が成り立つことを証明すれば、
任意の自然数 の組 (a, b) に対して A(a, b) が成り立つことが証明される。』
余談ですが、今のような、数学的帰納法に伴う理解の問題は、
私が学生時代、後輩に数学を教えた際にも、
発生したことがあります。
記述を正確にしないと、伝わらないのです。
文責: Dr. Kazuyoshi Katogi (加藤木 一好)
某掲示板で、次のようなご意見を伺ったことがあります。
『数学の定理も、数字・番号で管理すれば、便利ではないですか?
例えば、「ピタゴラスの定理により」という文面は、
「定理 A-1786 により」とすれば、読む側にとって便利だと思うのですが。』
はっきり言って、これは、読む側にとっては便利でも、書く側にとっては不可能です。
これを実現するためには、数学の文章を書く人の全員が、定理の内容とコード番号を、
全て頭の中で一致させて暗記している必要があるからです。
これは、労力的には無駄であるばかりでなく、数学の世界に無用の混乱を発生させます。
数学ではなく、以下のような会話に置き換えればわかりやすいです。
店員: ごめんなさいね、のり塩味は売り切れなんですよ。
お客:じゃあ、湖池屋のガーリック味はありますか?
それと、湖池屋のエビカラムーチョも欲しいです。
店員:はい、ガーリック味とエビカラムーチョはございます。
お客:それと、トロピカーナのオレンジジュースもありますか?
店員:はい、ございます。
お客:じゃあ、それ全部ください。
店員:かしこまりました。湖池屋のガーリック味と海老カラムーチョをおひとつずつ、
トロピカーナのオレンジジュースをお一つでよろしいですね?
お客:はい。
店員:〇〇円になります、毎度ありがとうございます。
お菓子好きのお客さんと、店員さんの、よくある、ほのぼのとした光景です。
これをもし、お菓子の名前を全部バーコードで言うと、どうなるでしょうか?
お客:4-901330-512361 をください
店員: ごめんなさいね、4-901330-512361 は売り切れなんですよ。
お客:じゃあ、4-91335-115642 はありますか?
それと、4-91335-134308 も欲しいです。
店員:はい、4-91335-115642 と 4-91335-134308 はございます。
お客:それと、4-909411-057121 もありますか?
店員:はい、ございます。
お客:じゃあ、それ全部ください。
店員:かしこまりました。4-91335-115642 と 4-91335-134308 をお一つずつ、
4-909411-057121 をお一つでよろしいですか?
お客:はい。
店員:〇〇円になります、毎度ありがとうございます。
なんとも、怪しげな取引になってしまいました。
お客さん、店員さんの立場で、商品名を廃止して、全部バーコードで
対人コミュニケーションを行うことを考えれば、
これほどわかりにくいことはないと、お分かりになるでしょう。
数学者にとっての『数学の定理のコード番号』も、
『商品バーコード』と同じようなものです。
慣れ親しんだ数学の定理の名前を、番号なんぞにされてしまったら、
やりにくくてしょうがないんですよ。
文責: Dr. 加藤木 一好
昨日、偉い人との面談で、
『空いた時間に○○の勉強をしています。』
とお話ししたら、
『空いた時間ではダメで、時間を作って勉強しなくてはダメだ。』
と言われました。
言い方がまずかったらしい。
私のいう勉強のための『空いた時間』というのは、『意図的に空けた時間』のことで、
その偉い人のおっしゃるように、私は、まさしく、
『時間を作って勉強をしている』
ことそのものをお話ししたのです。
少なくとも私に関しては、
気まぐれに勉強をしている時としていない時があるわけじゃなくて、
勉強は毎日しています。
勉強というものは、基本的には毎日するもんでしょう。
今回は論理学について、比較的シンプルな話題です。
命題論理に必要な公理シェーマと推論規則の数について、
少なければ少ないほどいい、という立場で論ずるならば、
最終的な回答は、旧ソ連の論理学者、ルカシュビッツによって与えられています。
つまり、
公理シェーマ 1個、推論規則 1個。
です。
定式化には、NAND の記号を使います。
文責: Dr. 加藤木 一好