kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

テイラーの定理の逆

数学ノートを更新しました。

 

微分多様体の基礎 1

 

今回のテーマは、テイラーの定理の逆です。

上記ノートの p.267, section 20.4 にて定式化されています. 

 

K を離散でない可換付値体, E を K ノルム空間, F を分離多ノルム空間,

U を E の開集合, f: U → F 写像, r>0 を 自然数, 1≦k≦r に対して,

α_k : U → L_k (E; F) で, 任意の x ∈ U に対して α_k(x) は k 重対称とする.

更に, x ∈ U, h ∈ E に対して

 

ρ (x, h) = f(x+h) - f(x) - Σ_{k=1}^r α_k (h^k)

 

と置く時, 任意の c ∈ U と任意の真正実数 ε と F の任意の連続半ノルム q に対して, 

真正実数 δ が存在し, || x - c || < δ, || h || < δ なる任意の x ∈ U, h ∈ E に対して

x + h ∈ U かつ

 

|| ρ (x, h) || ≦ ε || h ||^r

 

となっているとする. この時, f は r 回微分可能で, 1≦k≦r なる任意の k に対して

 

D^k f = k! α_k

 

となる. 

 

 

この定理の前提条件は, 極限を取る際に, x → c なる部分も入っていて不自然ですが, 

x → c の部分を除去することは, 私にはできませんでした.

 

この x → c の部分を除去できているかのように記述されている専門書もありますが,

私がそれを読んで確認したところ, 証明にギャップがあり, そのギャップを, 

私はいまだに埋められないでいます. 

 

正直に言えば, その証明を書いた人は, そのギャップに気づかなかったものと思われます. (でないと, あんなに簡単な議論で済むわけがない.)

 

 

文責: Dr. 加藤木 一好 (Kazuyoshi Katogi)

 

 

数学ノートの公開サイト変更

今まで数学のノートを公開していた、Yahoo Box が、

今年の 9月ごろに新規公開の機能を停止することになりました。

 

従って、重要な数学ノートにつきましては、

今後は、research gate という研究者専用 SNS にて、公開していきます。

 

 

ただ、私の職業そのものは研究者ではありませんので、その点は誤解なきように。

 

 

オンラインストレージサービスが次から次へと廃止される背景には、

人類の文明に全く寄与しない形で、巨大なデータのやり取りを

頻繁に行うユーザーがいるからです。

 

 

今後、どのようなオンラインストレージサービスを利用しても、

同様の問題は無くならないと考え、いっそのこと、

まともな研究者の集う、research gate というサイト

(私は何年か前からそこの会員です)

にて、数学ノートの公開をすることにしました。

 

 

research gate は、サイトそのものは会員制ですが、公に公開したファイルは、

誰でも閲覧できます。その利点を生かし、数学上の生産的な結果を、

ノートの形で、公開していきたいと思います。

 

 

 

3点公式, 5点公式, 7点公式, ・・・ (2n+1)点公式

数値微分で有名な, 3点公式, 5点公式, 7点公式 を一般化した, 

 

(2n+1) 点公式 を定式化しました.

 

 微分多様体の基礎1

 

上記ファイルの section 20.3 に記述しました.

 

Df(a) = (c_1 (f(a+h) - f(a-h)) + ・・・+ c_n (f(a+nh) - f(a-nh)))/h

            - d D^{2n+1}f(a)h^{2n} + o(h^{2n})

 

なる係数 c_1, ・・・, c_n, d の決定方法です. 

 

ファン・デルモンドの行列式が関わってきます.

 

原理的には, 自然数 n はいかほどでも大きいものが取れるのですが, 

 

n が大きくなればなるほど, c_k の計算が大変なものになります. 

 

 

 

文責: Dr. 加藤木 一好 

テイラーの公式

面粗さの勉強が終わったので, 微分法の定式化に取り掛かっております.

 

pdf を更新しました.

 

微分多様体の基礎 1 

 

今回の更新は, 定理 20.2.1 と, 系 20.2.2 の, テイラーの公式の,

 

漸近展開としての一意性の部分です.

 

 

 

定理: K を実または複素数体, E を K ノルム空間, U を分離多ノルム空間, 

f : U → F を n-1 回微分可能関数で, a ∈ U に於いては D^(n-1) f は微分可能,

k = 1,・・・, n に対して, L_k : E^k → F を連続 k 重対称複線型写像とする.

さらに, 0 に十分近い h ∈ E に対して, 

f(a+h) = f(a) + L_1(h) + ・・・+ L_n(h^n) + o(||h||^n)

が成り立つならば, k = 1,・・・, n に対して, L_k = D^k f(a)/k! となる.

 

 

 

この定理は, L. Schwartz の解析学 2, 微分法にも載っています.

その一般化としては, 漸近展開の理論に踏み込むことになり,

ブルバキ実一変数関数の vol.2 に於いて, 系統的に定式化されています.

 

 

文責: Dr. Kazuyoshi Katogi

 

好きなタイプ

男性というのは単純な生き物で、男性が言葉でいう好きなタイプの女性と

 

本能的に好きなタイプの女性は一致しています。

 

男はすごくわかりやすいです。

 

 

 

 

しかし、女性というのは複雑な生き物で、女性が言葉でいう好きなタイプの男性と、

 

本能的に好きなタイプの男性は、かなりのギャップがあります。

 

女はすごくわかりにくいです。

 

 

 

例えば、見た目ひとつ取っても、

 

『男性は顔じゃない、見た目じゃない、内面が大事だ。』

 

こういうことを言う女性は相当数いらっしゃいますが、

 

やはり、『見た目の悪い』男性は、女性からは人気がありません。

 

女性から見た男性の

 

『見た目』

 

については色々な意味での良し悪しがありますが、

 

女性の本音としては、好きなタイプの男性についても、やはり、

 

『見た目の水準』

 

も、その女性自身の中で、クリアーしていないと、

 

『好きなタイプ』

 

とは呼べないのです。

 

 

 

 

かく言う私も、学生時代などは特に、すごく『イケてない男』でした。

 

だからと言って、整形手術などをしたことは、一度もありませんが、

 

いつしか、このままでないけない、と思い立って、

 

多少なりの努力はしています。

 

 

 

今ではちゃんと、かわいい恋人もいますし、

 

『努力』の成果は上がっているかな、と思います。

手順

私は、昔から、単純暗記というものが苦手です。

 

『些細なことでも写真機のように明白に覚えている』

 

という人が、羨ましくて仕方がありません。

 

 

 

それでも、学校の勉強はできた方です。

 

しかし、学校の勉強しかできません。

 

 

 

仕事でよく、『忘れる』ことがあり、上長からも、

 

『どうすれば忘れないようになりますか?』

 

と質問されますが、はっきり言えば、私にはわかりません。

 

それはむしろ、私の方から質問したいことです。

 

つまり、

 

『忘れないための、具体的な手順を教えてください。』

 

私は本気で知りたがっています。

 

 

 

 

他にも、仕事ができない時、

 

『どうすればできるようになりますか?』

 

『どうすれば失敗しませんか?』

 

とは、私が質問したいことです。

 

つまり、

 

『できるようになるための具体的な手順を教えてください。』

 

『失敗しないための具体的な手順を教えてください。』

 

私は本気で知りたがっています。

 

 

 

 

できない理由を問い詰められて、どうすればできるようになるのかと、

 

狩りの獲物のように、心理的に追い詰められ、狩り立てられても、

 

私には解決の術が全くありません。

 

逆に、確実にできるようになるための、

 

絶対に失敗しないための、

 

具体的な手順を示して欲しいです。

 

 

 

面粗さの勉強

1週間ほど前から、面粗さのパラメーターの勉強を自宅でやっていたのですが、

 

勉強は昨日の夜で終わりました。

 

結局、私の業務では、あそこまで細かい知識は必要ないのですが、

 

『面粗さ』と言う概念の全体像を掴みたかったのです。

 

 

 

 

数学的な内容については、確率論や測度論の知識が要求されるほか、

 

曲面の平均曲率の定義と性質を知っていれば十分です。

 

この程度のレベルであれば、職場で時間をいただいて、勉強の続きをしていれば、

 

ストップがかかった日から起算して、3日程度で終わっていたでしょうね。