面粗さの勉強が終わったので, 微分法の定式化に取り掛かっております.
pdf を更新しました.
今回の更新は, 定理 20.2.1 と, 系 20.2.2 の, テイラーの公式の,
漸近展開としての一意性の部分です.
定理: K を実または複素数体, E を K ノルム空間, U を分離多ノルム空間,
f : U → F を n-1 回微分可能関数で, a ∈ U に於いては D^(n-1) f は微分可能,
k = 1,・・・, n に対して, L_k : E^k → F を連続 k 重対称複線型写像とする.
さらに, 0 に十分近い h ∈ E に対して,
f(a+h) = f(a) + L_1(h) + ・・・+ L_n(h^n) + o(||h||^n)
が成り立つならば, k = 1,・・・, n に対して, L_k = D^k f(a)/k! となる.
この定理は, L. Schwartz の解析学 2, 微分法にも載っています.
その一般化としては, 漸近展開の理論に踏み込むことになり,
ブルバキの実一変数関数の vol.2 に於いて, 系統的に定式化されています.
文責: Dr. Kazuyoshi Katogi