kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

一般逆関数定理

一般逆関数定理の定式化, 完了しました.

 

微分多様体の基礎 6 〜バナッハ多様体の基礎 II〜

 

上の pdf にあります. pdf で,『一般逆関数定理』で検索すれば出てきます.

 

定式化は, 以下の通りです:

 

i = 1 or 2, 1 ≦ r ≦ ω とする. 

X, Y を C^r_i 級多様体で, X の土台位相は T_3, Y の土台位相は

パラコンパクトハウスドルフとなっており, f:X → Y を C^r_i 級写像,

A を X の部分集合, B = f(A) で, f の制限 f_A : A → B は位相同型であり,

任意の x ∈ X に対して  T_x (f) : T_x (X) → T_{f(x)}(Y) は可逆となっているとする.

この時, X に於ける A の開近傍 W_X と Y に於ける B の開近傍 W_Y が存在し,

f(W_X) = W_Y かつ f の制限 f_{W_X} : W_X → W_Y は C^r_i 級同型となる.

 

証明は自明ではなく, かなり難しいです.

 

上記の定理を使うと, 管状近傍定理がすぐに証明できます.

上記の定理の元ネタは, V. Guilleman, A. Pollack の『微分位相幾何学

の演習問題に載っています. が, それは有限次元多様体の場合に限定されていました.

 

 

文責: Dr. Kazuyoshi Katogi