kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

子供の教育と犬のしつけ

今、多くの進学塾では、

 

『わからなくて良いから、答えの書き方だけを覚えなさい』

『わからなくて良いから、問題の解き方だけを覚えなさい』

 

と、教えています。

 

まさしく、犬のしつけ。

世も末ですな。

 

もちろん、私の運営する塾では、その様な愚劣な教育は行っておりません。

 

 

ブルバキ位相 vol.1

ブルバキの位相の和訳、vol.1 につき、

 

ZF  -  {正則性公理}

 

でどれだけ定式化できるかの検証が終了しました。

 

例えば,準コンパクト一様空間から一様空間への連続写像

 

一様連続になるとか、一様空間の分離完備化などは、

 

ZF  -  {正則性公理}

 

の下で定式化可能です。

 

ほかにもさまざまな性質が成り立ちます。

実可微分多様体の射影空間への埋め込み

ある掲示板で、下記のような質問を見つけました:

 

『(微分多様体は)実多様体としてならば、必ず次元の大きな射影空間に埋め込めるの?』

 

その通りです。

 

実射影空間 PR^n は、S^n の -x と x をそれぞれ同一視して得られる、

 

実 C^ω 級多様体です。

 

S^n の開上半球面 H^n は、PR^n の開部分多様体で、

 

明らかに、H^n は R^n と C^ω 微分同相です。

 

そこで、任意の k次元実 C^r 級多様体 M (1 ≦ r ≦ ω) に対し、

 

M は R^{2k+1} の閉集合として C^r 級に埋め込めます。

 

そこで、M → R^{2k+1} → H^{2k+1} → PR^{2k+1}

 

なる C^r 級埋め込みの系列ができるので、結論が従います。

 

 

 

文責: Dr. Kazuyoshi Katogi (加藤木 一好)

ブルバキ位相の検証

今、ブルバキの位相 vol.1 の内容を検証しています。

 

検証の目的は、ZF - {正則性公理} の範囲で、どれだけ定式化が可能かを見るためです。

 

すでに、第1章は終わりましたので、第2章の一様空間論に入ります。