今日までの数学は, 岩波位相幾何学 I で, スカラー体 K が K = R, C, or H の場合の S^n_K のあたりのところまでやっていました.
僕の博士論文では, H^n は左 H ベクトル空間とし, HP^n の定義では, H^n-{0} に H-{0} が右から作用した時の orbit space であると定義しています. こういう定義には理由があって, z ∈ S^3 と w ∈ H^n に対して f_z(w) = wz なる写像 f_z : H^n → H^n が Sp(n) に入るようにしたいからです.
岩波位相幾何学 I では H^n は右 H ベクトル空間としています. このことは, H^n の内積の与え方からわかります. それは, H 係数行列と H 線型写像の対応づけをスムーズにするためです. K = R or C の場合は, K は可換ですから, そういう問題は発生しません.