今回は, 東京図書からでているブルバキの数学原論, 積分 vol.1 (初版は 1968年) の翻訳ミスを紹介します.
p.229 の系で,『 正値測度 λ で, (中略) かつ x を重心とするものが少なくとも一つ存在する.』
とありますが, これは, 多くとも一つ, の間違いです.
原著 (1965 年編集) の該当箇所では, 『il existe au plus une mesure positive λ, ...』とありますから, 翻訳ミスですね.
実際の系の証明を見ても, λ が存在すれば一意であることのみを証明しており, λ の存在そのものは証明しておりません.
文責: Dr. Kazuyoshi Katogi