僕は学部生の頃, 以下の問題を解きました:
M を実解析多様体 (特に断らない限り, 有限次元でハウスドルフ, かつ位相が可算基底を持つものとする.), N_p ⊆ N_{p-1} ⊆ ・・・⊆ N_1 を N_0=M の部分集合の減少列で, N_{i+1} は N_i の
C^{s_{i+1}} 級部分多様体となっているものとする. (1 ≦ s_p ≦ s_{p-1} ≦ ・・・≦ s_1 ≦ +∞)
このとき, 与えられた M の任意の s_p 級自己同型 g に対し, M の s_p 級自己同型 f で,
任意の i ∈ {1, ・・・, p} に対し, f(N_i) が M の実解析的部分多様体になり, 尚且つ f が
C^{s_p} 級 fine topology に関して g に十分近いものが存在する.
証明は, こちらのプレプリントにあります.
この結果は, 1965 年の D. Moran の結果の一般化です. Moran が証明したのは, n 次元ユークリッド空間 E の任意の C^r 級部分多様体 N に対し, E の C^r 級自己同型 f で, f が C^r 級 fine topology に関して id_E に十分近く, なおかつ f(N) が E の C^∞ 級部分多様体になっているものが存在する, というものです.
上記のプレプリントをどこかのジャーナルに投稿したら, 掲載してくれますかね?
問題が古すぎると思いますけど, これ以上の結果は望めないと思います.
文責: Dr. Kazuyoshi Katogi