ある掲示板で, 次のような問題を見かけました:
T をペアノの算術を実質上含む, 帰納的に公理化可能な, 無矛盾な形式的体系とするとき, T の論理式 A と T のモデル M, N で, M 内で A は真であり, N 内で A が偽であるようなものが存在することを証明せよ.
何のことかといえば,
T の論理式 A を構成して, T からは A が決定不能であるようにできます.
つまり, T からは, A も not A も証明不可能であるような,
T の論理式 A が構成できます.
つまり, 形式的体系 T + A と T + not A のどちらも, 無矛盾になります.
従って, ゲーデルの完全性定理により, T + A のモデル M と
T + not A のモデル N が存在します.
この A, M, N が問題の条件を満たすものです.
文責: Dr. Kazuyoshi Katogi