kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

ほとんど至る所一様連続とは?

数学をわかってない人が以前、

 

『ほとんど至る所一様連続』

 

という言葉を発していました。

 

本当にわかっていない。

 

基本ができていませんね。

 

 

 

 

さてそれでは、『ほとんど至る所』という言い回しについての解説をします。

 

(X, μ, B) を測度空間とします。つまり, X は集合, B は X 上の σ集合体,

 

μ は B 上の完全加法的集合関数とします。

 

今, A(x) を変数 x が 集合 X を動くことを想定した論理式とします。

 

この時, 『ほとんど至る所 A(x) が成り立つ』という論理式は、

 

『μ(N) = 0 なる N ∈ B が存在し, 任意の x ∈ X-N に対して A(x) が成り立つ。』 

 

という意味です。

 

今, f:X → R が『ほとんど至る所一様連続である』という表現を考えると,

 

X に一様構造がついていようがいまいが、この表現は、

 

上記で述べた『ほとんど至る所 A(x) が成り立つ』という形では記述できません。

 

そういう意味で、『ほとんど至る所一様連続』という表現には、意味がないのです。

 

 

 

文責: Dr. Kazuyoshi Katogi