kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

引用と剽窃の分かれ目

昔、STAP 細胞関連の論文が問題になり、今回も皇室の方の作文が問題になり、何かと、『引用か剽窃か』で取り沙汰される件があります。

 

私は学術論文を書いた経験がありますから、何がセーフで何がアウトか、その明白な分かれ目を知っています。

 

それは、

 

[1] 他人の知見を他人の知見として記述するのはセーフ、つまり『引用』です。

[2] 他人の知見を自分の知見として記述するのはアウト、つまり『剽窃』です。

 

重要なのはこれだけです。

 

もちろん、引用の際には、出典を明示するべきだ、というご意見もありますが、それは原則はそうです。しかし、例外もあります。それは、数学なら数学で、専門家の間でよく知られた結果を引用する場合、出典を明示しなくても、『It is well known that ・・・』の形で引用すれば、それで事足ります。

 

しかし、それよりも重要なのは、他人の知見はあくまで他人の知見として記述する、ということです。これは、引用の際に、最も重要なルールでしょう。