kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

連結集合についての演習問題.

今回の数学エッセーでは, 連結集合についての次の問題を解説します:

 

定理: X を連結位相空間, A, B を X の閉集合で, A∩B が連結であるとする.

この時, A と B の両方が連結である.

 

証明. 帰謬法によって証明する. 仮に, A が連結でないとすると, A の空でない閉集合

C, D が存在し, C∩D = φ かつ C∪D = A となる. A は X で閉だから, C, D は X で閉である.

 

そこで, A∩B = (C∪D)∩B = (C∩B)∪(D∩B) となり, C∩B, D∩B は X で閉かつ

(C∩B)∩(D∩B) = φ で, A∩B は連結だから, C∩B, D∩B のどちらか一方は空集合である.

 

そこで, 一般性を失わずに C∩B = φ とする.  

合併 C∪B∪D を考えると, C∩D = φ, C∩B = φ であったから,

C∩(B∪D) = (C∩B)∪(C∩D) = φ

で, C, B∪D は X の空でない二つの閉集合であり交わらず,

C∪B∪D = C∪D∪B = A∪B = X

となり, X の連結性に反する. 

 

よって, A は連結である. 同様に, B も連結である.

 

証明終わり.

 

 

文責: Dr. 加藤木 一好