kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

ルベーグ積分についてのある質問

解析学のネタです。

 

掲示板で、こんな質問を見かけました。

 

R 上の実数値ルベーグ積分関数列 (f_n) に、

ルベーグ積分な優関数 g が存在し、

各点 x ∈R に対し、極限 lim _{n→∞} f_n(x) = f(x) が存在するとき、

f(x) は再びルベーグ積分となり、

 

∫ f(x) dx = lim _{n→∞} ∫ f_n(x) dx

 

となるが、このとき、一般に、関数列 f_n(x) の一様有界性は導かれるか?

 

 

答えは否定的で、例えば、 

 

f_n (x) = n for 0≦ x < 1/(n^3)

 

f_n (x) = 0 ow,

 

g(x) = sup _{n=1}^∞ f_n(x)

 

f(0) = +∞

 

f(x) = 0 for all x∈R-{0}

 

と置けば、反例になります。

 

ちなみに、この関数列 (f_n) については、

 

sup{ ||f_n||_∞ : n∈N} = ∞

 

ともなります。

 

さらに、f_n(0) = n だから、

 

(f_n) は、各点有界ですら、ありません。

 

 

 

 

 

 

 

文責: Dr. Kazuyoshi Katogi