今回の数学エッセーでは,
R のコンパクト区間 [a, b] からハウスドルフ空間 Y への写像 f のグラフ
G が弧状連結の時,
f が連続になることを証明します.
f が連続ならば明らかに, G は弧状連結となりますから,
この逆が成り立つ, という定理です.
https://kazz-scw-2010.hatenablog.com/entry/2019/03/26/160759
の続編です.
p : G → [a, b]
q : G → Y
を標準射影とします. p の方は, 連続双射,
q の方は 連続となります.
g : [0, 1] → G を 連続写像で, g(0) = (a, f(a)), g(1) = (b, f(b))
とします.
中間値の定理より,
h = p \circ g : [0, 1] → [a, b]
は全射となります.
従って, g そのものが連続全射で,
G はコンパクトハウスドルフ空間となり,
R を [0, 1] 上の同値関係
g(t) = g(s)
とすると,
g から商へ移って, 位相同型
g' : [0, 1]/R → G
が得られます.
そこで, p と g' の合成
p \circ g' : [0, 1]/R → [a, b]
はコンパクトハウスドルフ空間の間の連続双射だから位相同型となり.
従って, g' が位相同型であることより,
p : G → [a, b]
も位相同型となります.
よって,
f = q \circ (p^{-1}) : [a, b] → Y
は連続となります.
文責: Dr. Kazuyoshi Katogi