kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

中間値の定理と general topology

最近, こんな問題を見ました:

 

『f : R^2 \to R を, f(0)= 0 で, f(z) ≠ z for all z ∈ R^2 - {0}

 

なる連続写像とする時, f(z)> 0 for all z ∈ R^2 - {0}

 

もしくは, f(z)<0 for all z ∈ R^2 - {0}

 

のどちらかが成り立つことを示せ.』

 

 

 

 

証明には, 中間値の定理を使うのですが,

 

見通しの良いやり方があります.

 

 

 

帰謬法で示す.

 

仮に, あるベクトル z_1, z_2 ∈ R^2 - {0} 

 

が存在し, f(z_1) < 0 かつ f(z_2) >0 となるならば,

 

f は R^2 - {0} 上連続で, R^2 - {0} は連結集合だから,

 

f による R^2 - {0} の像 A は, R 内の連結集合である.

 

R の部分集合で連結なるものは、全て区間であるから,

 

A は R の区間である.

 

f(z_1), f(z_2)∈ A だから, 区間

 

[f(z_1), f(z_2)] は A の部分集合である.

 

一方,  0 ∈ [f(z_1), f(z_2)] だから,

 

f(z_3) = 0 なる z_3 ∈ R^2 - {0}

 

が存在することになり, これは仮定に反する.

 

証明終わり.

 

 

 

 

 

重要な点は, R の部分集合が連結になるための必要十分条件は,

 

その集合が区間であること, 

 

そして, 連結集合の連続写像による像は, 連結になること.

 

この二つです.

 

特に, 前者の性質は, general toplogy の基本的な結果です.

 

 

 

 

 

 

文責: Dr. Kazuyoshi Katogi