kazz の数学旅行記

数学の話題を中心に, 日々の知的活動の旅路を紹介します.

2019-01-01から1年間の記事一覧

relative CW complex の T_3 性.

今回の数学エッセーは, 位相幾何学について, 下記の事実についての紹介です. 定理: ZF の下で, 次のことが証明できる: (X, A) を relative CW complex で, A を T_3 空間とすると, X も T_3 空間となる. この定理は, 私の博士論文の section 4 の冒頭でも, (…

教会へ行こう

今日は久しぶりに教会へ行ってきます。 本当は先週に行きたかったのですが、 教師の仕事関連で、重要な事案があったので、 行けませんでした。

ファミマの店長

以前、勤務していたファミマの店長。 ファミマ時代には、店長には随分、よくしてもらったのですが、 今日の午後、その店長と話をした時に、店長の意外な経歴を知りました。 店長は、数理・情報関連の学部を出てらっしゃるらしいです。 ああ、なるほど。 同じ…

努力の理由

僕が普段から様々な勉強をして、努力を続ける理由は、 現状に不平を言うだけで何も努力をしないよりは、 はるかにマシだと思うからです。 中でも、簿記・会計の勉強は、有益でした。 資格の有無とは関係なしに、会計の知識は身につけて損はないと思います。

数学の概念の『存在』の意味.

今回の数学エッセーは, 純粋数学の技術的内容についてではなく, 数学専門外の方や, 一般の方向けに, 『数学の概念の存在とは何か』 と言うことを解説します. これには明白な答えがあって, 数学的な概念が『存在』する, と言った場合の意味は, 大雑把に言うと…

オーディオの悩みサイト

私はプロケーブルさんと一緒に仕事をしています. プロケーブルさんから委託を受けて, オーディオの悩み・苦悩を解決するショップを運営しております. まだまだ, オーディオで悩み, 苦しむ方が多くいらっしゃいます. 私たちも, 皆さんのために, 頑張っていか…

可測集合と可測関数によって囲まれた立体の体積の問題.

今回の数学エッセーでは, 次の定理を証明します: 定理: μ_n を n 次元ルベーグ測度, D ⊆ R^2 を μ_2 可測集合, f : D → [0, +∞[ を μ_2 可測関数, A = {(x, y, z) ∈ R^3 | (x, y) ∈ D & 0 ≦ z ≦ f(x, y)} ・・・(1) とする時, A は μ_3 可測で, 上積分に関す…

ルベーグの被覆補題の一様空間バージョンの ZF のもとでの証明

今回の数学エッセーでは, ルベーグの被覆補題の一様空間バージョンを, ZF の下で証明します. 補題: X をコンパクト一様空間, S を X の対称開近縁の全体, A を X の開被覆とすると, A の有限個の元 U_1, ・・・, U_n と W ∈ S が存在し, 任意の x ∈ X に対し…

数学の証明の無駄の省き方 (LK におけるカット消去)

この数学エッセーでは, 数学の証明の無駄の省き方について, 数学基礎論の立場で, 紹介します. ここでは, 例として ZFC の公理系について論じますが, 他の形式的体系についても同様です. 実は, 数学では, ZFC から命題 A を証明した時に, その証明に無駄があ…

中国語の勉強〜食べ物〜

中国語を勉強していて、なんか面白いと思ったこと。 スパゲッティを意味する中国語を、日本語に直訳すると、 『イタリア麺』 なるほどねえ。

作業終了

数学エッセーを、ヤフーブログからはてなブログへ移植する作業が、 やっと終了しました。

多様体論から代数幾何学への橋渡しをする本

僕は以前, 代数幾何学の本の最初の方を少し読んで, 「環付き空間」なる記述を見かけたことがあります. そのときの感想 「なにこれ?」 見事につまづきました(笑) それから 2 年くらいののちに, 僕は, ある本と出会いました. C^∞ Differentiable spaces (Sp…

non-degenerate な可微分写像の単射性

ある掲示板で, 次のような問題を見かけました: f : R^n → R^n が至る所微分可能で, そのヤコビ行列式 det J(f(x)) が至る所 ≠ 0 ならば, f は R^n 上 1-1 になるか? 答え. n>1 であれば, 反例があります. x = (x_1, ... , x_n) ∈ R^n に対して, f(x) = f(x_1…

不等式の簡単な問題

今日は, 某掲示板で見た, シンプルな問題です. f:R → R を関数で, 任意の x, y ∈ R に対し, f(x) - f(y) ≦ (x-y)^2 が成り立っているとする. このとき, f は定値関数であることを示せ. 解法 x と y の役割を入れ替えれば, 任意の x, y ∈ R に対し, f(y) - f(…

グラフが弧状連結になる関数の連続性

今回の数学エッセーでは, R のコンパクト区間 [a, b] からハウスドルフ空間 Y への写像 f のグラフ G が弧状連結の時, f が連続になることを証明します. f が連続ならば明らかに, G は弧状連結となりますから, この逆が成り立つ, という定理です. https://ka…

グラフが連結になる関数は連続とは限らない

今回の数学エッセーでは, 関数のグラフの連結性と 関数の連続性についての関係を話題にします. 初等的な, 軽い話題ですが, 某掲示板で, 関数の連続性を, そのグラフの連結性と混同しているかのような 記述を見かけましたので, 一つ, 注意を喚起しておきます.…

一様空間と選択公理

今回の数学エッセーでは, 一様空間論について, 軽い話題です. 一様空間論は, ブルバキの位相 Chap.2 において定式化されています. その中で重要な定理は, 一様空間の分離完備化や, よく知られた定理: 『準コンパクト一様空間から一様空間への連続写像は, 一…

ブルバキ数学原論に超限論的選択関数が出てくる理由

ブルバキの数学原論には, 超限論的選択関数が出てきます. A(x) を x を変数とする論理式とする時, τ_x(A(x)) の形で, A(x) を満たす x が存在する時は, そのような xのうちの一つ, A(x) を満たす x が存在しない時は, ある一つの対象を表します. ブルバキは,…

選択公理と可測集合

今回の数学エッセーのテーマは, 選択公理と可測集合です. と言っても, 基礎論を勉強されている方にとっては, よく知られている結果ですが. 以下のような疑問を呈する方がいました: 『R の Lebesgue 非可測部分集合の構成には, 選択公理が必要ですか?』 答え:…

写像の一点における値と写像による集合の像の違い

今日は, 数学をする上では紛らわしい, 記号の区別についてです. 以前も、同じようなことを書いたかも知れません. E, F を集合, f : E \to F を写像とします. 集合論的には, f = (G, E, F) なる三つ組で, G \subseteq E \times F であり, 任意の x \in E, y, …

数学クイズ

今回の数学クイズは, ある中学生の方が, おじいちゃん, この問題解ける? と, おじいちゃんに出題し, そのおじいちゃんは解けずに, おじいちゃんの知り合いの, 数学マニアの方に依頼したのですが, その数学マニアの方も解けず, 僕のところに回ってきたもので…

位相空間の部分集合の境界についての話

位相空間 X の部分集合 M, N に対し, M^f と N^f をそれぞれ, M, N の境界とする時, M ⊆ N ⇒ M^f ⊆ N^f が成り立たないのは不思議だ, という, 素朴な疑問を聞いたことがあります. 学部生の方でしょうか, 位相について, あまりにも難しく考えすぎて, 素朴な例…

中間値の定理と general topology

最近, こんな問題を見ました: 『f : R^2 \to R を, f(0)= 0 で, f(z) ≠ z for all z ∈ R^2 - {0} なる連続写像とする時, f(z)> 0 for all z ∈ R^2 - {0} もしくは, f(z)<0 for all z ∈ R^2 - {0} のどちらかが成り立つことを示せ.』 証明には, 中間値の定理…

完全性定理の応用

今回の数学エッセーは、比較的シンプルなものとなります。 『完全性定理を応用した定理は、何がありますか?』 こんな質問を見かけました。 この答えには、重要なものがあります。 BGE が ZFC の保存拡大になっていることの超限的証明が、 それです。 完全性…

ルベーグ積分についてのある質問

解析学のネタです。 某掲示板で、こんな質問を見かけました。 R 上の実数値ルベーグ可積分関数列 (f_n) に、 ルベーグ可積分な優関数 g が存在し、 各点 x ∈R に対し、極限 lim _{n→∞} f_n(x) = f(x) が存在するとき、 f(x) は再びルベーグ可積分となり、 ∫ …

ねじれの位置にある直線と直交する線分

今回の数学エッセーでは, 次のことを証明します: 『L_1, L_2 を R^3 のねじれの位置にある直線とする時, a_i ∈ L_i (i = 1, 2) をただ1組取って, ベクトル a_2 - a_1 が L_1 と L_2 の どちらとも直交するようにできる.』 証明: 平行移動により, 初めから, L…

数学のモデルについての問題

ある掲示板で, 次のような問題を見かけました: T をペアノの算術を実質上含む, 帰納的に公理化可能な, 無矛盾な形式的体系とするとき, T の論理式 A と T のモデル M, N で, M 内で A は真であり, N 内で A が偽であるようなものが存在することを証明せよ. …

数列の収束と発散

ある掲示板で、このような問題を見つけました。 級数 Σa_n が絶対収束するならば、 級数 Σ(a_n)^2 も絶対収束することを証明せよ。 これは簡単です。 Σ a_n が絶対収束することにより、 ある番号 から先、|a_n| < 1 よって、ある番号から先、 |(a_n)^2| < |a…

言葉の持つ二重の意味と数学

今回は, 一つの言葉が二つ以上の意味を持つ時, それをそのまま数学に適用すると 間違いを犯す場合がある, と言うお話をします. より詳しく言うと, ある名詞 A が二つの意味 B, C を持つ場合. ある場合では 名詞 A を B の意味で使い, 別のある場合では 名詞 …

大学数学から眺める高校数学~指数関数, 対数関数の微分法.

今回は, 高校で習う指数関数, 対数関数の微分を, 大学数学側から眺めてみます. 高校生向けのエッセーですから, 指数関数の定義にまつわる難しい議論はせず, 以下の性質を直感的には明らかであろうと言う理由で, 公理として認めます. 以下, a>0 は 1 以外の正…